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『ケルズの書』の解説書、日本語バージョン

先月、『ケルズの書(Book of Kells)』の日本語の解説書がアイルランドの出版社より発売されたと聞き、早速、購入して読んでみました。

bookofkellsjapanese
『ケルズの書を読み解く』日本語版(Exploring the Book of Kells - Japanese Edition) O'Brien Press刊

ペーバーバックで、全71ページ。うち8ページがカラーで、『ケルズの書』の有名なページが掲載されています。

『ケルズの書』を始めとする、トリニティー・カレッジの彩色写本のコレクションは、ダブリンの市内観光で必ずと言っていいほどご案内する場所のひとつ。
これまで何百回となくこの書の解説をさせていただきましたが、見学後、多くのお客様が「手ごろな解説書があったら、記念に買って帰りたいのだけれど…」とおっしゃいます。
日本語訳のある解説書は、実はこれまでも一種類だけあり(全30ページくらいの薄~い本、著者は今回発行されたものと同じGeorge Otto Simms氏)、いい本ではあるのですが、図柄についての説明が専門的すぎて、観光で来られるお客様がもっとも知りたい書についての基本的な説明はなし。訳もちょっと分かりにくくて、せっかく読んでも、「で、結局『ケルズの書』って何?」となってしまい、あまりお勧めできるものではなかったのです。

今回の新しい解説書は、まさに皆さんからいつも質問いただくような、「どこで誰が書いたの?」「何のために?」「インクや紙の原材料は?」という基本的な説明から始まって、書の内容にも適度に、しかも分かりやすく触れてあります。
挿絵も豊富で、ぬり絵したくなるような絵も…!
お値段も手ごろで、確か15ユーロくらいだったと思います。

実物の写本を見てさらに興味がわいたという方に、旅の記念にお勧め。
これ一冊で『ケルズの書』博士になれます!

※ダブリン市内の書店にもあるかと思いますが、間違いなく置いてあるのは、やはり『ケルズの書』を展示している、トリニティー・カレッジのオールド・ライブラリーのショップです。

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コメント

atsu

ナオコさん、お久しぶりです。
長いロケ、お疲れ様でした。残念ながら我が家はBSが入っていなくて見ることが出来ないのです…。 でもこちらのブログだけでもとても勉強になりました。

そして、私もケルズの書博士になりたい!
“かけはし”のときにもナオコさんに案内していただきましたね。たくさん説明していただいて、その時はわかったつもりだったのに、どんどん記憶が薄れてしまいます…。
最近大学の授業(英語学)で英語の歴史を勉強していると、よくケルトの話が出てきます。…もっとよくナオコさんのお話を聞いておくべきだった、今ならあの時より理解できるはず!と思っていたところです。もともと興味のある分野なので、これをきっかけに自分でもイロイロ調べてみようかなと思います。

ネットでも買えますか?早速探してみます!

naokoguide

atsuさん
よろしかったら、本、送りますよ。
こちらのアドレスにご住所くださいませ。

info@guidingireland.ie
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naokoguide

アイルランド公認ナショナル・ツアーガイドの山下直子です。2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、アイススケート、バラ栽培、ホロスコープ読み、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。長野県上田市出身。

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