ナオコガイドのアイルランド日記

現地ガイドによるアイルランド生活・旅情報

アイルランドのジャガイモ発祥地・ヨール

アイルランドと言えばジャガイモ…と連想する人も多いはず。
日本人がお米を食するがごとく、アイルランド人はジャガイモを主菜・主食にモリモリ食べるのです。

レストランでの食事にも、必ず登場するジャガイモ。マッシュポテト、ボイルドポテト、ローストポテト、チップス(フライドポテト)など、これがなければ食事した気がしない!まるで、日本人がお米を食べないと力が出ない、というのと同じですね〜。

さてこのジャガイモですが、もとは南米アンデス地方原産の野菜。新大陸発見後にヨーロッパに普及したわけですが、ここアイルランド・イギリスでは、1585年、サー・ウォルター・ローリー(Sir Walter Raleigh、1552または1554−1618)がタバコと共にジャガイモをもたらした、というのが定説となっています。
そして、アイルランド初のジャガイモが栽培されたのが、港町ヨール(Youghal,Co. Cork)のマートル・グローブ邸(Myrtle Grove)です!

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エリザベス1世の寵臣であったサー・ウォルター・ローリーは、歴史上にさまざまな逸話を残した人物。
15世紀半ば、アイルランド貴族の反乱を鎮めた報償として南西部に広大な土地を与えられたローリーは、ここヨールに17年間住み、ヨールの名誉市長にもなりました。
もとは大学総長邸として建てられたエリザベス朝マンション、マートル・グローブ邸がローリーの屋敷となり、ここの庭で初のジャガイモ栽培を試みたと言われています。

ペルーから珍しい野菜を持ち帰ったものも、まさか根の部分を食べるとは夢にも知らなかったローリー、なんと初めは実を食べたらしいです。ところがどうにもおいしくない、食べるべき部分は他にある!と思い、庭師に命じて根を掘らせ、それを調理してみたところ、やっと満足したとのこと。
何ごとも、第一人者にはさまざまな苦労があるものですね〜。

今でこそ日常的な野菜となったジャガイモですが、ヨーロッパに伝えられた当初は、食用というより、観賞用に花を栽培していたと言います。
かのマリー・アントワネットとルイ16世も、ジャガイモの花のブーケを手にダンス・パーティーに出かけたそうですから、それを思えば、実を食べたウォルター・ローリーを笑ってはいられません…!

晩年は女王のメイドとの恋愛や、ギアナ高地探検の失敗で失脚、アイルランドの地所も売り渡し(この時にリズモア城も手放すことに)、投獄された上に処刑されたウォルター・ローリーですが、アイルランドの歴史上に「ジャガイモ男爵」として名を残し、なんとなく親しまれている人でもあります。ヨールでは毎年6月〜7月上旬にかけて、10日間にわたり「ウォルター・ローリー記念ジャガイモ祭」が開催されているほど!
もしあの時、ローリーがジャガイモの根を食べてみることしなかったら…アイルランドの歴史は大きく変わっていたことでしょう!

ちなみに「ジャガイモ男爵」の呼び名は、私が勝手につけたもの。
おそらく、日本最初のジャガイモももたらした川田男爵のイメージから、ついついこう呼びたくなってしまうのでしょう。
1908年(明治41年)、川田男爵が函館で栽培した日本初のジャガイモは、「アイリッシュ・コプラー」と言います。
これはアイリッシュ・アメリカンのコプラーさんがアメリカで発見した品種で、日本では川田男爵にちなみ「男爵イモ」として普及したというわけです。

たどっていくと、なんだかいつも「つながり」が出てくるアイルランドと日本。ジャガイモにも、実はこんな絡みがあったのでした。
そういえばこの日の夜、ヨールの街のレストランで食事をした時のこと。普段は小食の小柄なTさんが、いつになくマッシュポテトをモリモリ食べていたのですが…ジャガイモ発祥地ヨールのなせる業かしら〜。

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ヨールの町並み。18世紀の時計の門

※マートル・グローブ邸(Myrtle Grove)は、現在、一般公開されていないようです。

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そういえば男爵イモの男爵って誰だ?

 日常の疑問シリーズ。何だか急に気になりました。その気になれば10秒程度で調べられることなので、わざわざ記事にするほどの物ではないのですが、 ・男爵イモの男爵とは、川田龍吉という人のこと。もちろん、実際に男爵だった。 ・川田男爵は函館で造船業を営んでいて、

  • 2007/02/01(木) 14:03:27 |
  • なころぐ