今回の酒井順子さんとの取材旅行は、日本でこの秋に公開される映画『
P.S. アイラヴユー』のプロモーションをかねたもの。(鑑賞時の過去ブログは
こちら)
そのため、映画のロケ地となったカウンティー・ウィックロウ(Co. Wicklow)中心の旅となりました。

ヒラリー・スワンク演じるホリーと、ジェラルド・バトラー演じるジェリーが初めて出会ったのは、ヒースの花咲くウィックロウの荒野。たたずむ酒井さんと、カメラマンのYayoiさん。サリー・ギャップ(Sally Gap)にて

湖でボートに乗るシーンも印象的。ウィックロウの谷間に点在する鏡のように美しい湖(ウィックロウにはボートに乗れる湖はないので、ロケ地となったのは別の場所でしょう)

ダブリン市内のパブ&ナイトクラブWhelan。映画に出てくるパブはここ
絵に描いたように美しい、アイルランドの景色が印象的なこの映画。
日本での公開は、10月19日です。
お楽しみに。
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公開されて間もない映画、『ジ・エッジ・オブ・ラブ(
The Edge of Love)』を観てきました。
ウェールズのカリスマ的詩人
ディラン・トーマス(Dylan Thomas, 1914-1953)と、その妻、元恋人、その夫…という複雑な人間関係の4人をめぐる、第2次大戦中の実話を元にしたストーリー。
ディラン・トーマスを演じるのは、Matthew Rhysというウェールズ人の俳優さん。この人、ホンモノのディラン・トーマスに、似てなくもない感じです。
そしてその他の3人が、キーラ・ナイトリー、シエナ・ミラー、コーク出身のアイルランド人俳優キリアン・マーフィーという超豪華な顔ぶれ!

公式HPは
こちらディラン・トーマスは、アイルランドにも何かとゆかりのある詩人です。
今回シエナ・ミラーが演じた、ディランの奔放な妻カトリン・マクナマラ(Caitlin MacNamara, 1913-1994)はアイルランド人で、映画の中でも、ディランが自分の妻を「アイルランドの女王」と茶化して紹介するシーンがありました。
カトリンはロンドン生まれ、ロンドン育ちではありますが、父親がカウンティー・クレアのエニシュタイモン(Ennistymon, Co. Clare)の地主だったので、エニシュタイモンやドゥーリン(Doolin, Co. Clare)で子供時代を過ごしたことがありました。
エニシュタイモンにあるマクナマラ家の屋敷は、現フォールズ・ホテル(
Falls Hotel)。
有名なモハーの断崖にも近いこの屋敷は、カトリンの父の時代にホテルとして営業を始め、ディランと結婚する前のカトリンは、このホテルでウェイトレスをしていたこともあったそうです。

映画の中のディランとカトリン。ホンモノの2人に雰囲気そっくり。
こちらの写真を見てみてください
ディラン・トーマスのもう一つのアイリッシュ・コネクションは、結婚前の若き日を、ドネゴールで過ごしたことがあったということ。
1935年の数ヶ月、20歳のディラン・トーマスは、南ドネゴールの人里はなれた小さなコテージで、半修業的に詩作にふけっていました。
数年前、あるきっかけでそのことをいろいろを調べたことがあり、それ以来、ディラン・トーマスという詩人になんとなく愛着を持つようになっていたので、今回の映画が彼がらみの作品と知り、即刻、観に行ってしまったのでした。
こういう激しい人たちが生きていた、苦しくて、でもロマンチックな時代の話。ウェールズのひなびた景色もよく、私にはとても好みの作品でした。
ディラン・トーマスの詩や作品も、これを機会にちゃんと読んでみたいものです。
※英国・アイルランド以外の海外での公開は、まだ未定のようです。
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先日、16世紀の英国王ヘンリー8世と2番目の妻アン・ブーリンとの史実を元にした映画、『
The Other Boleyn Girl』を観てきました。

6人の后を娶ったヘンリー8世は、英国の宗教改革を行った人物としても知られています。
王妃の侍女として宮中に上がっていたアン・ブーリンを見初め、最初の后を離縁してアンと再婚したヘンリー8世。それが原因でローマン・カトリック教会から分離(カトリック教会は離婚・再婚を認めないため)、王を主教とする英国国教会を立ち上げることとなります。
これが俗に言う英国の宗教改革。王の気紛れから起こったこの騒ぎが、のちの宗派の違いを利用したアイルランドへの政治的侵略、さらには北アイルランド問題の最初の第一歩を作ってしまったわけですが…。
この英国史上もっともスキャンダラスな出来事のひとつであろうヘンリー8世とアン・ブーリンについては、これまでも多くの映画やドラマが作られたことでしょうが、今回のものは「もう一人のブーリン家の女の子」というタイトルが示唆するように、やはりヘンリー8世と関係のあったアンの妹メアリーにも焦点を当てた作品。
アン役をナタリー・ポートマン、メアリー役をスカーレット・ヨハンソンが演じています。
この2人、美しさのカテゴリーを対極とするような全く違ったタイプの美女ですが、実際にアンは小柄で色黒、エキゾチックな感じの美人、それに対してメアリーは、豊満で女性らしい色白美人だったそうです。
この作品には原作があり、それがとても面白いと聞いていたのですが、やはりしっかりした原作のあるものは、映画にした場合も外れませんね。
登場人物の描写に深みがあり、宮中のドロドロを描きながらも、若い女性の胸の内がよく表されていて、単なる歴史物の枠を越えたとても良い作品でした。
ところで…
このブーリン家には、ちょっとしたアイルランド・コネクションがあります。
アン&メアリー・ブーリンの父方の祖母にMargaretという人がいて、この人が、アイルランドのキルケニー(Kilkenny)を本拠地とするオーモンド伯爵家バトラー一族の出なのです。
バトラー家とは、13世紀に英国王ジョン王と共にアイルランドにやって来て以来、王代理のごとくアイルランドで特権的な立場を与えられていた特別な一族。
ブーリン姉妹の曽祖父は、そのバトラー家の7代目頭領Thomas Butlerだったのです。
そして、バトラー家がしばしば「英国王家と親戚関係に当たる…」と形容されるのは、ひとえにアン・ブーリンのおかげ。
彼女とヘンリー8世との間に生まれた女児がのちのエリザベス1世ですから、バトラー家の血筋から英国女王を出したというのは真実なのです。(ところが悲しいかな、エリザベスは生涯独身で子をもうけませんでしたから、ジェネティックな血縁関係は一代限り…ということになりますね)
バトラー家の本家は有名なキルケニー城(Kilkenny Castle)ですが、その周辺には分家した一族の城跡が数多く残されています。キルケニー近辺でタワーハウスや古い屋敷を見たら、ほぼ間違いなくバトラー家のものと言ってもいいくらい、それほどまでに一族の力が強かったわけです。(過去ブログ参照:
ブラック・トムのオーモンド城)
そして、土地の人々の英国王室との結びつきをなんとしても誇示したいという気持ちからでしょうか、数ある城のひとつ、クロノニー城(Clonony Castle, Co. Offaly)には、ここがアン・ブーリンの生家であるというかなり信憑性の低い(!)伝説まであるのです。

典型的な16世紀のタワーハウスであるクロノニー城 (R357上、CloghanよりShannonbridgen方面へ約5キロほど行ったところにあります) 写真は
こちらより
アン・ブーリンの出生や家族構成に関しては謎の部分が多いとは言え(メアリーは妹ではなく姉であったという説も)、「アイルランド生まれ」というのはいくら何でもムリがあるような…。
しかし、こんな伝説が生まれてしまった背景には、バトラー家の関係に加え、この城にブーリン家の2人の女性の名が刻まれた石版が残されているから。そう、ここにもまた別のブーリン・ガールズがいたのです。
「Elizabeth and Mary Bullen」(「ブーリン」の綴りはBoleynともBullenとも綴られるそうです)というこの2人は、アン・ブーリンの姪、すなわちエリザベス1世のいとこに当たる女性たちで、ここに埋葬されていると言われています。となると、彼女たちが今回の映画の「もう一人のブーリン・ガール」であったアンの妹メアリーの娘たちなのでしょうか。
(映画のストーリーが本当なら、弟の子供ということはあり得ないので)
この手の話は、たどって行けば行くほど次々に興味深いつながりが出てきて、尽きることがありませんよね。
このクロノニー城は、ガイド試験のときの試験ルート上にある城だったので、今でもよ〜く覚えています。いつも通り過ぎるだけで止まってよく見たことがないので、今度ぜひ、ブーリン・ガールズたちのお墓参りに行ってみなくては!
そして、さらなる余談ですが、今回メアリー・ブーリンを演じたスカーレット・ヨハンソンは、次の作品でもまたメアリー役。メアリーはメアリーでも、今度はスコットランドのメアリー女王です。(『Mary Queen of Scots』、2008年公開予定)
撮影はアイルランドでも行われるそうですから、こちらもまた楽しみですね。
※『The Other Boleyn Girl』の日本での公開は今のところ未定のようです。ぜひ公開されるといいですね。
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『Once ダブリンの街角で』のグレン・ハンサード(Glen Hansard)とマルケタ・イルグロヴァ(Marketa Irglova)が、見事、アカデミー賞最優秀歌曲賞の栄冠に輝きました!
(一昨日のブログ、
アカデミー候補のアイリッシュ参照)
http://oscar.com/より
2度目の最優秀主演男優賞を受賞したウィックロウ在住のダニエル・デイルースと共に、今日は一日、各時間のTVニュースでグレンとマルケタの受賞スピーチが何度も放映されました。
「In Hollywood, sometimes dreams do come true!(ハリウッドで夢がかなうこともあるんですよ!)」などと締めくくられ、このロー・バジェットのささやかなアイルランド映画がオスカーを受賞したことに、誰もが興奮気味です。
ダブリン市内の音楽関係のショップでは、受賞を記念して『Once』のサウンドトラックやDVDが今朝からずらりと並べられているとのこと。
受賞スピーチは非常にこの2人らしくて、独特の存在感が、ある意味、ステージを圧倒していました(笑)。
グレンはオスカー像を握りながら、「Make art! Make art!」を熱く繰り返し、マルケタは喜びながらも冷静。「この受賞はすべてのインディーズのミュージシャンにとって意味あることです。どんなに夢から離れていてもあきらめないで」と、自分だけ舞い上がらないところがまだ若いのにスゴイですね。
先ほど授賞式のハイライトをTVで見たのですが、2人の紹介役として登場したのは、ダブリン出身の俳優コリン・ファレル(Colin Farrell)でした。
そして、受賞曲となった‘Falling Slowly’を演奏するグレン・ハンサードは、普段よりちょっと緊張した面持ちながらも、手にはやっぱり、いつもの穴の空いたギター!(『Once』の中で弾いているものと同じ。ご本人愛用の私物)
ハリウッドの大舞台でも自分は自分、こういうところがいいですよね。
まるで映画のストーリーを体現するかのような、『Once』のサクセス・ストーリー。マルケタが言うとおり、この2人のオスカー受賞は、世界中のアーティストたちに夢と希望を与えてくれるものだと思います。
アイルランド映画の未来も、ますます活気あるものになることでしょう。
※日本での今後の上映予定はこちら→
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明後日のアカデミー賞授賞式(アメリカでは24日ですがアイルランド・日本では翌25日)に向けて、ここ数日、アイルランド人俳優・関係者へのオスカーの行方が話題となっています。
今回、アイルランド国内でとかく注目されているのが、日本でも昨年暮れから公開中の『
Once〜ダブリンの街角で』に主演のグレン・ハンサード(Glen Hansard)とチェコ人のマルケタ・イルグロヴァ(Marketa Irglova)。
映画の中で2人が歌う‘Falling Slowly’という楽曲により、最優秀歌曲賞(Best Original Song)にノミネートされているお2人。水曜日に関係者一同とロサンゼルスへ発ったグレンとマルケタですが、連日のさまざまなオスカー前夜祭パーティーに楽しく参加している様子が、テレビ、新聞等で日々伝えられています。

2月22日(金)付けThe Irish Times。とっても楽しそうなグレン、マルケタ(真ん中の2人)、監督のジョン・カーニー(右)。ロサンゼルスのホテルのレセプションにて
『Once』は、制作費15万ドル(約1700万円)という低予算、セットはほとんどそのままのダブリンの街並み、2台のカメラでわずか17日間で撮影したという驚くべき作品。
さまざまな国際映画祭に出品するもすべて断られ、国内のゴールウェイ映画祭で細々と上映されていたところ、たまたまホリデーでアイルランドを訪れていたアメリカの映画関係者の目にとまり、一度は出品を断られたサンダンス映画祭に再出品されることに。
そしてサンダンスで観客賞(ワールドシネマ部門)を受賞、全米で次々に上映館を広げ、まさかの大ヒットになってしまったというミラクルな音楽映画です。
グレンとマルケタのノミネートが最後の最後まで決まらなかったのも、かえって劇的でした。‘Falling Slowly’が映画のためのオリジナル楽曲として受賞資格があるかどうか、ラスト・ミニッツまで決定が下されず、締め切り11時間前に正式なノミネートがわっと伝えられたのです。
その日、ラジオからあの印象的なさびの部分が流れてくるのを聞くにつれ、昨年の秋、監督のジョン・カーニー、グレンとマルケタのインタビューをご案内させていただいた時のことが思い出されました。素朴でまっすぐなお人柄のお3人がどんなにか喜んでいることかと思うと、こちらも嬉しくなり、心の中で「おめでとう〜!」と思い切り叫ばせていただいたのでした。
(よろしかったら過去ブログをご参照ください:
『Once』の監督ジョン・カーニー、
『Once』主演の2人・グレンとマルケタに会う、
『Once』のロケ地めぐり)
発表後のBBCのインタビューで、グレン・ハンサードが語っていた撮影中のエピソードも印象的でした。
ダブリンのWalton'sという楽器店でグレンとマルケタが‘Falling Slowly’を熱唱、歌い終わると同時にOKを出した監督のジョン・カーニーは、「よ〜し、これでオスカーをねらうぞ」とジョークを言ったそうです。
その時はみんなで笑い転げたそうで、まさかまさか、本当のことになるとは、本人たちも全く予想していなかったんですね。
この無欲の情熱、本当にいいものを作りたい!という熱意や強い信念にこそ、多くの人の心を動かすものがあったのだと思います。
もうひとり、若きアイルランド人のアカデミー賞候補として話題となっているのが、『
つぐない(Atoment)』(2008年4月・日本公開予定)でキアラ・ナイトレーの妹役を演じ、助演女優賞にノミネートされたシィーシャ・ロナン(
Saoirse Ronan)ちゃん。Co.Carlowに住む、若干13歳の女の子です!
彼女の演技は、素人目に見ても大変印象に残るものでした。(
過去ブログ参照)
ニュージーランドで新作映画ロケ中のシィーシャちゃん、授賞式の前日にハリウッドへ駆けつけるそうです。
その他、今回のアカデミー賞にノミネートされているアイルランド人は…
・主演男優賞の最有力候補である
ダニエル・デイルース(Daniel Day-Lewis、イギリス出身ですが現在はアイルランドに市民権を得てCo.Wicklowに住んでいます) … 『There Will Be Blood』
・撮影賞にシェイマス・マクガービー(
Seamus McGarvey、北アイルランドのArmagh出身) … 同じく『つぐない(Atoment)』
・録音賞にピーター・J・ディヴリン(Peter J. Devlin、ベルファースト出身) … 『
トランスフォーマー(Transformers)』
また、今回は本人のノミネートではありませんが、‘Raise It Up’という楽曲で『Once』と歌曲賞を競うことになる『August Rush』の若き女性監督クリスティン・シェリダン(Kirsten Sheridan)も、ダブリン出身のアイリッシュ。(映画監督ジム・シェリダンの娘)
一体いつくのオスカーがアイルランドに輝くのか、授賞式が楽しみです。
今年で80回目を迎えるアカデミー賞ですが、ニューフェイスが多いこと、またアメリカ人以外の俳優が多くノミネートされていることも話題のひとつ。
プレゼンターとして登場する豪華な顔ぶれを見るのも楽しみですね。
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一昨年の秋にアイルランドで撮影が行われた映画、『
P.S., I Love You』を観てきました。

主演はヒラリー・スワンク&ジェラルド・バトラー(『フレンズ』のフィービーも出ています!)
アイルランド人作家による同名小説の映画化。著者のセシリア・アハーン(Cecelia Ahern)さんは、なんと現アイルランド首相バーティ・アハーン(Bertie Ahern)の娘さん。
日本語版は林真理子さんの翻訳で、2004年に出版されています。(『P.S.アイラヴユー』・小学館)
実は、ドタバタしたラブコメディーかと勝手に考えていた私は、アイルランド関連の作品なので観ておこう…というくらいの気持ちで、あまり期待していませんでした。
ところがストーリーが進むにつれ良くなっていき、途中、涙までしながら、思いがけず楽しく鑑賞。
物語はニューヨークでの結婚生活からスタートし、アイルランドの美しい景色が出てくるのは、主に後半。
石垣のある田舎道や、素敵なコテージ、賑やかなパブ、ヒースが一面に咲き乱れるウィックロウ(Wicklow)の荒野…。アイルランドの田舎生活や、アイルランド人の男性がとてもチャーミングに描かれていて好感が持てます。
ありそうでなさそうなロマンスも手伝って、「ああ、アイルランドへ行きたい〜」と旅情をかきたてられる場面も多し。
興味深かったのは、明らかにアイルランドでロケをしているにも関わらず、そこに登場する「アイルランド」は私から見るとなんだかアイルランドじゃないみたい。やはりアメリカ映画だからでしょうか?
ハリウッド視点で描く「アイルランド」は、国内で製作されたアイルランド映画に出てくる「アイルランド」とは明らかに違っていて、それがまた見ていて新鮮だったりするのでした。
(ちなみにアメリカ人のお嬢さんたち、夏なのにとっても厚着です…笑)
こちらでは昨年暮れから上映が始まり、そろそろ終了しそう。
日本公開は、今年の秋頃になるようです。お楽しみに。
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姉の家にあったDVDで、久しぶりに観た
ジョン・フォード監督(John Ford)のこの映画。
静かなる男(The Quiet Man, 1952)
今回久しぶりに観て、さすが名作とあらためて感動。
ストーリーは痛快、かつ、筋はシンプルながらなかなか凝った作り。半世紀の歳月を経た今も尚、ファンが多いのもうなずけます。
音楽シーンも多く、これって50年前の『Once』なのかも…と思ってしまったくらい。アイルランド民謡満載で、音楽映画といってもいいくらいです。
『Isle of Inisfree』から始まって、『Wild Colonial Boy』、『Galway Bay』など、突然みんなで歌いだすシーンが印象的で、それがまたとても楽しそうで、アイルランドへの旅情を誘うのです。
映画のロケ地はアイルランド西部のゴールウェイ周辺。
コング村(Cong, Co.Mayo)やアッシュフォード城(Ashford Castle, Cong, Co.Mayo)、コネマラ地方(Connemara, Co.Galway)にある橋やコテージなど、ツアーでよく行く場所ばかりです。
お客様にいつもこの映画の話をさせていただくので、実際に見た回数以上に、ロケ地情報や撮影当時の裏話にすっかり詳しくなってしまいました(笑)。
映画を観ていると、ああ、あそこはコング村のあの路地ね〜、アッシュフォード城の手前の橋ね〜、などど分かるので、なんだか昔のアイルランドにタイムスリップした気分です。

アッシュフォード城の橋

コング村にあるレストラン、その名も「ミケリーンズ」。映画の中のミケリーンみたいな老ウェイターさんが本当にいます!(いずれも2006年8月撮影)
ところで、メアリー・ケイト役のアイルランド人女優モーリン・オハラ(Maureen O'Hara)さんは今年87歳になられ、今もお元気でいらっしゃいます。アイルランド南西部に邸宅があり、時々いらっしゃっておられるとか。
ダブリン生まれの彼女はアイルランド語がペラペラで、映画の中でもちらりと披露されているのですが、今回見たときは単語がいくつか聞き取れて嬉しかったです。
それにしても、こういう古きよき時代の映画っていいですね。
突っ込みどころも満載で楽しく、観終わったあとにずっしり充実感がありました。
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カンヌ国際映画祭で「芸術・実験映画賞」を受賞したというアイルランド映画『
Garage』を観てきました。
wikipediaより
あの
『アダムとポール』のLenny Abrahamson監督の新作で、脚本も同じくMark O'Halloran(俳優でもある彼は、前作ではアダム役を演じています)。
期待通り、『アダムとポール』と同種のテイストがただよう作品でした。
違いは、『アダムとポール』は、とてつもなくミゼラブルな状況なのになんだか笑える…といった「物悲しいコメディ」でしたが、今度の『Garage』はその反対。
喜劇的な状況なのに、実はものすご〜く寂しく悲しい。美しい空や湖までも、とにかく全てがデプレッシング…。
主役のジョーシィを演じている
Pat Shorttがコメディ俳優として知られているせいか、コメディ映画だと思って観に来た人も多くいたはず。
初めのうちは、ジョーシィが服を脱いだだけで館内のあちらこちらから笑いが。ところがストーリーが進むにつれて、ジョーシィのすることが可笑しければ可笑しいほど、耐え難いような物悲しさに襲われるのです。
85分の上映が終わると、館内のあちらこちらから、今度は大きな拍手が起こっていました。
スクリーンに向かって賛辞を送らずにはいられないような、本当に素晴らしい作品でした。
田舎の小さな村にもはびこる、ケルティック・タイガーの弊害。
生まれ育った村がいつしか姿を変えてしまい、ケルティック・タイガーとは無縁に暮らすジョーシィのような人々は、いつの間にか地域社会から置いていかれてしまう…。こういう状況が、今のアイルランドには実際にあるのです。
『Garage』のロケ地は、アイルランドの内陸部の泥炭地が一面広がるようなエリア。
ジョーシィの住まい兼仕事場であるガレージは、Rathcabban(Co.Tipperaryに入りますが、この辺りはカウンティー・ボーダーが入り組んでいるため、Co.OffalyのBirr近く)、村のメイン・ストリートはWoodford(Co.Galway、Portumna近く)という、いずれも地図にもやっと載るような小さな村。
廃線となった線路や湖も、この近くだそうです。
余談ですが、Carmel役の
Anne-Marie Duffという女優さん、ジェイムズ・マッカヴォイ(James McAvoy)の奥さんだったんですね。
『アダムとポール』、『マグダレンの祈り』にも出ている女優さんです。
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ガイド仲間のSineadの家で、ダブリンを舞台にした映画『
Adam & Paul』(Lenny Abrahamson監督・2004)を一緒に観ました。
HPのPhotosより
以前からSineadが「絶対おすすめ!」と言い続けていたこの作品。
ダブリンをうろうろする2人のジャンキー、アダムとポールの、ある朝起きて(野宿)、翌朝起きるまで(やっぱり野宿)の1日を描いたもの。
なんだか見たくないけど見ちゃう…みたいな、かなり物悲しいコメディです。
まるで『ユリシーズ』のジャンキー・バージョンのようなこの作品には、見慣れたダブリンの景色がたくさん出てきます。
…と言っても、グラフトン通りとか、テンプルバーではなく、登場するのは「あなたが知らない裏のダブリン」みたいなちょっと怪し目の場所だったりするのですが(笑)。
ちなみに私が住んでいる界隈も登場。アパートの入り口すぐ近くをアダムとポールが徘徊していました…。
ジャンキー映画の舞台とはちょっと複雑な気分ですが(笑)、今はきれいになったこのエリアも、かつては怪し目なダブリンの一角だったので。
「じぇぃ〜ざす」「fxxxxn'」連発のこの映画、ダブリン在住者には妙にリアルで笑えます。
扱っている題材はかなりシリアスなのに、それがコメディになってしまうところがアイルランド映画らしい。
見終わった後は、妙に寒々し〜い笑いが口元に残ります…(笑)。
ちなみに、同監督の新作映画『Garage』が、只今、ダブリンで劇場公開中。
カンヌ国際映画祭で「芸術・実験映画賞」というのを受賞した作品とのこと。近いうちに見に行こうと思います!
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最近観た映画の中でとても良かったのがキアラ・ナイトレイ(Keira Knightley)&ジェイムズ・マッカヴォイ(James McAvoy)主演の『
Atonement』。

イアン・マキューアン(Ian McEwan)の同名小説の映画化。(日本語訳『
贖罪』小山太一訳・新潮社)
私は原作は読んだことがなかったのですが、ストーリーそのものも良かったし、アプローチもユニーク、とにかく観ていて綺麗〜。
キアラ・ナイトレイの美しさには、思わずほぉ〜とため息が出てしまいました。
そのキアラ・ナイトレイ演じるセシリアの妹・ブライオニーの子供時代を演じているのは、アイルランド人の女の子。
シィーシャ・ロナン(
Saoirse Ronan)ちゃんという、カウンティー・カーロウ(Co. Carlow)に住む13歳の女の子です。
Wikipediaより
10歳の時にテレビ・ドラマでデビューしたシィーシャちゃん。
お父さんは、ポール・ロナン(Paul Ronan)という俳優さんだそうです。
ストーリーの要となる重要な役柄を、独特の存在感で演じきっており、若いのにすごいな〜となんだか感心してしまいました。
『Atonement』以降も、すでに3本の映画を取り終わっているシィーシャちゃん。
演技派の若きアイルランド人女優として、今後もますます活躍してくれそう。
日本での公開は来年になるようです。(具体的な時期は現時点では未定)
※追記…日本での公開は2008年春だそうです。日本語公式HPは
こちら。(2008.1.15現在)
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