ナオコガイドのアイルランド日記

観光ガイドによるアイルランド生活・旅情報

グレンダーロックでシカに遭遇

今日は2017年初のガイディングで、お客様をグレンダーロックへご案内しました。

今朝は気温がぐっと下がり、ダブリンにしてはピリッと寒い日でしたが、風がまったくなくなんとも気持ちのいい冬の日。フレッシュな山の空気を楽しみながら、遺跡見学後、アッパー・レイクまで30分程のハイキングにご案内しました。
「この辺りにシカがいるかも…」とお客様にお話ししたとたん、目の前に発見。最初は1頭しか見えませんでしたが、よく見るととなりにもう一頭、またとなりにもう一頭…と草の中に数頭が点在。

glendaloughdeer0117
保護色で見えにくいですが、木の下に2頭います

これはこちらで「シッカ・ディアー(Sika Deer)」と呼ばれる、19世紀に日本から入ってきたシカでしょう。(アイルランド人はシカ
Deerであることを知らない…)
そういえば、このところたて続けてにダブリンとウィックロウのレストランでシカ料理を食べました。シカのタルタルと、シカのロースト。最近は食用のシカ・ファームがあるらしく、冬の料理として高級レストランなどで需要があるようですね。

かつては頭数制限のために撃ち殺したシカをレストラン業者が引き取って、シカ料理を出していましたが、2000年代初め頃にEUの規制で検疫が義務付けに。そうなるとコストがかさみ、レストランは採算が合わなくなり、ベニスン料理がアイルランドのレストランから姿を消した時代もありました。
これだけビーフとか食べるものがあるのに、食用のシカを育てなくてもいいようにも思いますが、高級食材とはそういうものなのでしょう。私も現に食べてしまったことですし。

そんなことをお客様とお話ししたりしながら、2017年の初ガイディングを楽しく終えさせていただきました。

テーマ:アイルランド生活 - ジャンル:日記

冬の日のハイキング in グレンダーロック

glendaloughhiking12165
氷河によって形成されたU字渓谷。雄大な景色の中を気持ちよくハイキング♪

ダブリンに滞在中のアメリカ人の友人マリアンとコートニーと一緒に、ウィックロウへハイキングに行ってきました。
風もない穏やかな冬の日。ウィックロウ森林国立公園(Wicklow Mountains National Park)内にある、初期キリスト教会史跡で知られるグレンダーロック(Glendalough, Co. Wicklow)周辺のトレイルを楽しく歩いてきました。

グレンダーロックには多くのトレイルがあって、初めて歩く人にもわかりやすいように、それぞれが色別で表示されています。
(➡Walking Trails of Glendalough
私たちが歩いたのは、「スピンク&グレ二ーロー・バリー(Spinc and Glenealo Valley)」という9キロ、約3時間のトレイル。グレンダーロックのアッパー・レイク(Upper Lake)をくるりと大回りする人気のルートで、標高差390メートル、適度にアップダウンのあるヒルウォークです。

glendaloughhiking12169
私たちのトレイルは「白」。要所要所に出ている色別の矢印に沿って進みます

アッパー・レイクの駐車場が出発地点。まずはポウラナスの滝(Poulanass Waterfall)に沿って急な坂道を上がり、さらにボードウォークになっている上り坂へ。

glendaloughhiking12166
約600段あるそうです!

初めの30~40分は上り坂が続きますが、ここを頑張って登りきると、グレンダーロックの2つの湖を見晴らすビューポイントへ。
トレイルの早い段階で眺めの良い地点に到達するので、飽きずに歩けるのが、このコースのいいところです。

glendaloughhiking121610
ロウアー・レイク(Lower Lake)。湖の奥には、写真では小さすぎて見えませんが、教会跡地のラウンドタワーも見晴らせます

ここからはスピンク(Spinc)と呼ばれる山の峰を歩くことになります。まだ断続的に登りが続くものの、眼下にアッパー・レイクを見晴らしながら歩くので、気分は爽快。

glendaloughhiking12167
谷間に横たわるアッパー・レイク。今から1万年前に氷河によって形成された地形です

glendaloughhiking12168
湖がすべて後方になったら、そろそろ下り。この辺り、夏には一面にヒースの花が咲いて、ピンク色になることでしょう

スピンクを下りきったら、湖に流れ込む細い川を渡り、アッパー・レイクの対岸へ。
この辺りで野生のシカを目撃。ちゃんとしたカメラを持っていなかったので、写真は撮れませんでしたが。

glendaloughhiking12164
このトレイルは、ボードウォークも橋も良く整備されていて安心

glendaloughhiking12163
湖も川も水の色が真っ黒。泥炭地を流れてくるせいです

この辺りから少し岩だらけのところを下り、最後はアッパー・レイク脇の整備された平らな道を歩いて出発地点へ戻ります。
途中、写真を撮ったり、休憩したりしながら、3時間少々でゴールイン。日の短い冬場のハイキング・コースとしては、ちょうどいい距離でした。

glendaloughhiking1216
ゴール間近のアッパー・レイク沿いの道にて。背後に写る峰がスピンク、このてっぺんを歩いてきたのでした!

今日は日中の気温は10度前後。雨もなく寒すぎず、歩くにはちょうどいい気候。冬のハイキングもなかなかいいものです♪

テーマ:アイルランド生活 - ジャンル:日記

国内最大級、ブラウンズヒル・ドルメン

brownshilldolmen09167
ドルメンと9月の空!ブラウンズヒル・ドルメン(Brownshill Dolmen, Co. Carlow)にて

古代遺跡の密集度がヨーロッパ一と言われるアイルランド。
石器~青銅器時代の巨石古墳だけで約900、鉄器時代の砦も含めると、北海道とほぼ同じサイズの島に1000近い数の古代遺跡が点在していることになります。

900ある巨石古墳のうち、ドルメン(Dolmen)と呼ばれるポータル・トゥーム(Portal Tomb=支石墓)が約200。紀元前4000年頃に始まる新石器時代にさかんに作られた墓の形で、ドルメンという呼び名はフランス北部のケルト人が話していたブルトン語で「石のテーブル=ドル・メン(Dol Men)」の意味だそうです。
支石を数個(5個の場合が多い)並べて、その上に蓋をするように天井石を載せる。その形が石のテーブルのように見えるということですね。

9月に遺跡好きのS様ご夫妻をご案内させていただいた時、このドルメンを数え切れないほどご一緒に見に行きました。ルート上にあるものを事前にチェックしておいて、行程に余裕が出来ると、「○×ドルメンがこの近くにあるので行ってみましょう!」なんてお声がけをして立ち寄っていました。まるでドルメン巡りの旅(笑)。

これがなかなか面白くて、場所を調べていざ行ってみても、畑の真ん中にあってアクセスできなかったり、牧草地に囲まれた車がやっと一台通れるくらいの道に迷い込んでしまい、思わぬ別の発見(聖なる泉とか、御神木とか)があったり。

ドルメンは基本の形は同じでも、それぞれに風情があります。畑の中にあったり、路傍にさりげなく立っていたり、石の種類によって全く形が違って見えたり…。
古代人の墓ではありますが、今や日本のお地蔵様的な、土地の守り神かのよう。ドルメンは個人の墓ではなく共同墓地ですから、古代人の儀式の場であり、集合場所のような役割を担っていた可能性は大いにあり得ます。

S様ご夫妻をご案内した数々のドルメンの中でも、特に大きく、印象的なのがこちら。冒頭写真でも紹介させていただいた、カーロウ近くのブラウンズヒル・ドルメン(Brownshill Dolmen, Co. Carlow)です。

brownshilldolmen09162
犬を連れてお散歩中の地元の女性。古代の巨石に触ってエネルギー・チャージ…かな?

brownshilldolmen09163
後ろから見るとこんな形。まるでキノコのよう

このドルメン、テーブルの台に相当する天井石は推定100~150トン。国内最大級です。
麦畑の真ん中にありますが、道路から歩道が作られており、アクセスできるようになっています。(徒歩2~3分)

brownshilldolmen09166
支石に囲まれた墓室(天井石の下)。ここに死者の遺灰・遺骨が、両手ですくえる分量位づつ置かれました

brownshilldolmen09164
道路からの眺め。麦畑の真ん中にぽつりとある一本の木の左隣りがドルメン

※カーロウ(Carlow)から東へ約3キロ、R726(Hacketstown Road)からアクセスできます(道路から見えます)。車のルノー(Renault)のショールームの斜め向かい。

※ブラウンズヒル・ドルメンの過去ブログ→巨大!ブラウンズヒル・ドルメン(10年も前の記事でした!)

テーマ:アイルランド生活 - ジャンル:日記

ラウンドタワーめぐり!

昨日は南東部の灯台めぐりのような1日でしたが、今日はラウンドタワー(Round Tower)めぐり。1日に3つの違ったラウンドタワーへご案内しました。

stcaniceroundtower3

キルケニーの聖カニス大聖堂(St. Canice's Cathedral, Killkenny)のラウンドタワー。高さ30メートル。上部の見張り窓が6つあるのが特徴(通常4つである場合が多い)。写真は撮り忘れたので2007年撮影のものです

kiladareroundtower0916
キルデアの聖ブリジット大聖堂(St Brigid's Cathedral, Kildare)のラウンドタワー。高さ32メートル。12世紀に入り口をロマネスク様式に、18世紀に上部をギザギザに改築しているのが特徴

glendaloughroundtower0916
グレンダーロック(Glendalough, Co. Wicklow)のラウンドタワー。高さ30.5メートル。19世紀末に、落ちていたとんがり屋根上部のオリジナルの石を積み直してはいるものの、きれいに原型をとどめているもののひとつ

ラウンドタワーとは9~12世紀頃、修道院付属の見張りの塔、鐘楼として建造されたアイルランド独自の建造物。
当時のアイルランドは今よりも森におおわれていて見通しが悪かったので、巡礼者が聖地を目指す際の目印にもなりましたし、バイキングなど外敵が攻めてきた場合の避難所として使われるなど、さまざまな用途がありました。

今日ご案内した3つのラウンドタワーのうち、キルケニーとキルデアのものは塔に上ることが出来ます。キルケニーでは112段のステップをS様ご夫妻とご一緒にのぼりましたが、キルデアはもういいや…ということになり、のぼりませんでしたが(笑)。

そういえば、おとといも2か所のラウンドタワーへご案内したのでした。ラウンド・タワーだらけ(笑)。
お天気が良くなかったので写真がイマイチですが。

cloyneroundtower0916
クロイン(Cloyne, Co. Cork)のラウンド・タワー。高さ30.5メートル。キルデアのもの同様、てんぺんがギザギザ(防衛用)に改築されています

ardmoreroundtower0916
アードモア(Ardmore, Co. Waterford)のラウンド・タワー。高さ30メートル。ラウンド・タワーの建設としては年代が遅めの12世紀のもので、塔のボディーに3層の縁取りがしてあります。ちょっと傾いているようです

現在も国内に65塔現存。壊されてなくなってしまったものも含めると89あったと言われています。
これだけの土木建築を行うことが出来た当時のアイルランドの修道院の繁栄ぶりもすごいですが、森の中からとんがり屋根をにょきにょきのばそうという発想が独自で、ちょっぴりユーモラスでもあります(笑)。

テーマ:アイルランド生活 - ジャンル:日記

フック・ヘッドと灯台めぐり

hookhead0916
黒と白の縞々はフック・ヘッド(Hook Head, Co. Wexford)の灯台

約2週間にわたるS様の旅もいよいよ大詰め。昨日よりアイルランド南東部に来ています。
昨日は終日雨模様でしたが、今日はうって変わって真夏のような青空。あまりにもお天気が良いので一部予定を追加・変更して、海沿いの景勝地ドライブして周った結果、灯台めぐりになりました(笑)。

hookhead09161
フック・ヘッド(Hook Head, Co. Wexford)の灯台を見晴らす。お天気はいいけど風が強く、海はワイルド

dunmoreeast0916
ダンモアイーストの灯台(Dunmore East, Co. Waterford)➡過去ブログ:客船のお客様をご案内

ballybotton0916
こちらは昨日立ち寄ったバリコットン(Ballycotton, Co. Cork)の黒い灯台。残念ながらお天気最悪の瞬間で、これ以上に撮れませんでした。過去ブログに黒い灯台が写っている写真あり➡黒い灯台の村、バリコットン

アイルランド島には96の灯台があるそうです。こちらに一覧あり➡List of lighthouses in Ireland

テーマ:アイルランド生活 - ジャンル:日記

ラスボロハウスのフェアリートレイル

fairytrailrussborough07162
ここの妖精は松ぼっくりが好きなようで、どの家にも置かれていました

日本からお友達がお子さん連れでダブリンに滞在中。「妖精探し」がこの旅のテーマ!という8歳のお嬢さんNちゃんと一緒に、ラスボロハウス(Russborough House & Parklands, Blessington, Co. Wicklow)の敷地内にあるフェアリートレイル(Fairy Trail)で、とても楽しい日を過ごしました。

以前にカウンティー・ケリーにある2つのフェアリー・トレイルのことをご紹介しましたが、昨年4月、ダブリンにほど近いウィックロウにも妖精たちがやって来て、ラスボロハウスの森の中に棲みついたようです。Irish Fairy Trailのウェブサイトによると、昨年3月20日にアイルランドで部分日食が起こった時に、昼間の闇にまぎれてケリーからウィックロウへ一部の妖精が飛んできたのだとか!
(なんだかとっても信憑性のある話…→A new Fairy Trail has emerged!

フェアリートレイルへ行くには、ラスボロハウスの向かいの道路を渡って、左の森へ。ウォールド・ガーデンの方へ歩いていきます。

fairytrailrussborough0716
ヒイラギに埋もれるように立つこの看板が目印

fairytrailrussborough07163
妖精に会えるかな?ちょっぴりおっかなびっくりのMちゃん、ママに手を引かれて森へ…

fairytrailrussborough07164
しばらく歩くと、最初のフェアリーハウスがあった!扉だけなのがなんだか怪しい…むむむ

妖精たちはレディーズ・アイランド(Lady's Island)と名付けられた小島に住処を見つけたようです。日本の太鼓橋を渡り、いざ、フェアリー・ランドへ。

fairytrailrussborough07165
貴族たちの間でその昔に日本趣味が流行った頃に作られたのでしょう。2年前に修復されたそうです

さて、橋を渡ると妖精の家があるある!巨木の幹や根元を注意深くひとつひとつ点検していきます。

fairytrailrussborough071623
木の根元に発見。キラキラ星と赤い扉が可愛い

fairytrailrussborough071624
松ぼっくりがきちんと並べられた、几帳面な妖精の家

fairytrailrussborough07167
人間が忘れて行った長靴をリサイクルした家!

fairytrailrussborough07166
お昼寝中の妖精を起こさないように、そっと近づくNちゃん

fairytrailrussborough07168
アウトドア派の妖精の家。壁がなくて屋根だけの風通しのいいお家ですね

fairytrailrussborough07169
木をじっと見ていたら、なんだかこれも妖精の家の扉に見えてきた(笑)

fairytrailrussborough071615
飛べない妖精のためにはしご付き

fairytrailrussborough071611
パープルの扉のこの家はちょっと荒れている感じがしたので、反抗期のティーエージャー妖精が住んでいるに違いない

fairytrailrussborough071613
そして…極度に人間嫌いの妖精は、人間に見つからないよう扉をカモフラージュ!

ああだこうだと言い合いながら、妖精の家めぐり。東京でマンションに住んでいるMちゃんは、妖精のマンションを見たかったようですが、今のところ妖精村はそこまで混み合っていないので、集合住宅建設の気配はありませんでした(笑)。

fairytrailrussborough071612
こ~んな大きな気にぽつりと一軒。広々していていいですね~

妖精は昼間の明かりが苦手らしいので、はっきりと姿を見るのは至難の業。Nちゃんは何か見たようで、うらやましいです。8歳児の特権ですね♪

※アイルランドに3か所あるフェアリートレイルの場所&地図はこちら

テーマ:アイルランド生活 - ジャンル:日記

キルデアの聖ブリジッド大聖堂

stbridgetcathedralkildare7
13世紀建立の聖ブリジッド大聖堂。右手前はオリジナルのハイクロス、上部が欠けていますがそれはそれで風情がありますね

先日、ダブリン郊外のクロンドーキンに聖女ブリジッドの井戸を偶然見つけたことを書きましたが、不思議なシンクロニシティーのなせる業か、その後、普段めったに行くことのない、キルデアの聖ブリジッド大聖堂(St Brigid's Cathedral, Kildare, Co. Kildare)へお客様をご案内する機会に恵まれました。
なんだかブリジッドづいています(笑)。

聖ブリジッドはアイルランドではマリア様級に人気のある聖人で、アイルランドの3大守護聖人のひとり。カウンティー・キルデア(Co. Kiladare)の守護聖人でもあります。
伝説によると大変美しい女性で、求婚者が後を絶たず、神の道へ入ると決めていたブリジッドは自分の美貌を罪と考え、「私を醜くしてください」と神に祈りをささげたそうです。すると、顔の半分だけがあばたになったのだとか。さすがの神様も、顔全体を醜くしてしまうのは気が引けたのでしょうか。

キルデアの大聖堂は聖ブリジッドがアイルランド初の女子修道院を開いた地。現存する聖堂は1223年建立のゴシック様式(16~17&19世紀に改築・修復)のものですが、聖地としての歴史はブリジッドが修道院を開いた5世紀(480年)にさかのぼります。
修道院建立にまつわるブリジッドと布の伝説が有名。修道院建設のための土地をください、と地元の王に願い出るも、王はなかなか首をたてにふってくれません。そこで「私が腰に巻いている布で覆えるだけの土地でよいからください」とブリジッドは王を説得、いざ腰から布を外してふわ~っとしたら、その布がどんどん広がってキルデア全体を覆ってしまい、広大な土地を手に入れて修道院を建設が叶ったと言い伝えられています。

当時の建造物は木造だったでしょうから現存しませんが、大聖堂の敷地内には、高さ33メートル、国内で2番目に高いラウンド・タワーがあり、タワーのてっぺんまで登ることが出来ます。
ちなみに国内でいちばん高いラウンド・タワーは斜塔として知られるキルマクダー修道院跡地(Kilmacduagh Monastic site, Co. Clare)の高さ34メートルのものですが、登ることが出来るラウンド・タワーの中では聖ブリジッド大聖堂のものがいちばん高いことになります。

stbridgetcathedralkildare8
オリジナルのタワーが崩れたため、12世紀に再建したもの。塔の上部は石造りのとんがり屋根ではなくノルマン風

ちょっと怖がるお客様を先導(扇動?笑)して、いざ塔へ。板の間で5階建てくらいに仕切られていたでしょうか。先細りになる塔内に設置された急なはしごを一段一段登っていきます。

stbridgetcathedralkildare
こんな感じ。手すりがしっかりついているので、つかまって登れば大丈夫

stbridgetcathedralkildare4
無事に登り着き、塔のてっぺんから写真を撮るお客様。キルデアの平原が見晴らせます。この辺りは10000年前の氷河の移動で大掛かりに削られて一面平らになったエリア

stbridgetcathedralkildare3
塔の上から見晴らす大聖堂。きれいなラテン・クロス型

教会裏手にはファイヤー・テンプル(Fire Temple=火の神殿)と呼ばれる場所があり、ここが聖ブリジッドが建てたオリジナルの教会跡地。毎年2月1日の聖女ブリジッドの日には、ここで火をともす儀式が行われるそうです。

stbridgetcathedralkildare5
現存する石造りの囲いは1993年に再建したもの。囲いの中には聖女にちなみ女性しか入ることが出来ないとのこと。囲いの中には捧げものも見られました

教会内部を見学後、立ち去ろうとしたときに地元の人に呼び止められて教えられたのがこちら。
入り口近くの教会建物の角に2つの穴があいており、そこに手を差し込んで心臓部にふれながら願いを唱えると叶うと言われているのだとか。早速、お客様と皆でやってみました。

stbridgetcathedralkildare9
真剣に祈るワタシ(笑)。お客様が撮ってくださいました

内部には簡単な展示もあり。地元のコンサートなどに利用されるなど、キルデア・タウンの真ん中にあって人々に親しまれている身近な聖地です。

※ラウンド・タワーは5月1日~9月30日のみオープン。月~土 10:00-13:00 & 14:00-17:00、日 14:00-17:00 (最終入場は4:45) 有料(4ユーロ位だったと思います)
※大聖堂は常にオープンしていますが、10名以上のグループは事前に要予約。

テーマ:アイルランド生活 - ジャンル:日記

アイリッシュ・ウィスキーの異端児、クーリー蒸留所

ここ数日、ウィスキー関連のビジネス視察のお客様をご案内させていただいていました。
今日は北アイルランドとの国境近くにあるクーリー蒸留所(Cooley Distillery, Co. Louth)へ。キルベッガン・ウィスキー(Kilbeggan Whiskey)などを製造している蒸留所ですが、一般公開していませんから、こういう機会でもない限り見ることが出来ません。貴重な経験をさせていただきました。

クーリー蒸留所は1970代まではジャガイモを蒸留する工場で、地元の人からは「アルコール工場(Alcohol Factory)」と呼ばれていたそうです。ここで作られるジャガイモの蒸留液は「プチーン」と呼ばれる蒸留酒として飲料される他、消毒液として病院で使用されたり、もっと古い時代は燃料として使われたと聞いて驚き。なんと食べるだけなく、ジャガイモをエネルギーとして使っていたんですね。
ジャガイモの蒸留液はガソリンの替わりになり、乾燥させると石炭の替わりにもなると聞いたことがあります。20世紀初頭、トラクターなどが普及していく頃の話ですから、農家では単価の安い「イモ・エネルギー」が重宝されたのでしょう。

その旧ジャガイモ蒸留所を1985年に購入してウェイスキー工場にしたのが、アメリカでアイリッシュ・ウィスキーの歴史を研究をしていたジョン・ティーリングさん。この時にはアイルランド島で稼働するウィスキー工場はミドルトン、ブッシュミルズの2か所のみになっていましたから、クーリーは100年ぶりの新ウィスキー蒸留所となったわけです。
2012年に工場は売却され、現在は日本のサントリーの小会社です。(正式にはビーム・サントリー社)
(ジョン・ティーリングさんはその後、18世紀にご先祖が創業したダブリン市内の蒸留所を再稼働させますが、それが昨年オープンしたティーリング蒸留所ですね)

クーリー蒸留所ではモルト・ウィスキー(原料が麦芽)とグレイン・ウィスキー(原料がトウモロコシ)の2種類を同じ工場内で製造しています。4~5種類の違った銘柄のウィスキーがここで作られますが、いずれも伝統的なアイリッシュ・ウィスキーの「異端児」的なものばかり。
伝統的なアイリッシュ・ウィスキーは、モルトにした大麦(麦芽)と未発酵の大麦を混ぜ合わせて3回蒸留する「シングル・ポット・スティル」が主流。南部のミドルトン蒸留所はこの方法ですね。

クーリーで製造しているのは麦芽のみを使った「モルト・ウィスキー」(3回蒸留すると香りが失わるという考えから、クーリーでは蒸留は2回のみ)や、トウモロコシを原料とする「グレーン・ウィスキー」。グレーン・ウィスキーは通常アイルランドではモルトとブレンドしてしまうのですが、クーリーでは「シングル・グレーン・ウィスキー」といって、グレーン・オンリーのウィスキーを作っているのが大きな特徴。
伝統的なアイリッシュ・ウィスキーのスムーズさとは対照的に、バーボンみたいなエッジの効いた味わいのウィスキーで、私はなかなか好きです。

cooleydis0516
お土産にいただいた4種のミニボトル箱詰め。「キルベッガン8年(Kilbeggan 8years)」が「シングル・グレーン・ウィスキー」。カネマラ(Connemara)」は「ピーティッド・シングル・モルト・ウィスキー」といって、スコッチのようにピート(泥炭)でいぶされた麦芽を原料とするシングル・モルト。サントリーさんが日本で販売しているのがコレです。いずれも伝統的なアイリッシュ・ウィスキー「らしからぬ」点が特徴

グレーン・ウィスキーは、コラムスティル(塔式蒸留器)という筒状の蒸留器を使って蒸留されます。アイルランドの他の蒸留所にあるのは伝統的なポットスティル(単式蒸留器、アラジンの魔法のランプみたいな形の窯)のみなので、今日クーリーの工場内で初めて目にして、感激。(工場内の写真はお見せ出来ないので残念)
これはアルコール工場時代から使用していたものなのだろうか、と疑問がわいたのですが、私の仕事は通訳なので自分が質問するわけにはいかず(自分が質問したいこと、いっぱいあった・笑)、あとで聞いてみましょう、と思っていたらそのまま聞き忘れてしまいました。

アイリッシュ・ウィスキーはここ数年「復興」ムードにあり、各地に新しい蒸留所が次々オープンしています。スコッチの台頭、20世紀初頭のアメリカの禁酒法の影響、アイルランド経済の低迷などによりすっかりダメージを受けたアイルランドのウィスキー産業ですが、近年新たな蒸留所が次々オープンし、アイリッシュ・ウィスキーの新時代がやってきた感があります。
現在アイルランド島内にロングランの蒸留所が4か所、新しい蒸留所が11か所。さらに許可申請を通ってこれから建設予定…という工場が22もあるそうですから、今後ますます特徴的なクラフト・ウィスキーがしのぎを削る時代になるでしょう。

※クーリー蒸留所は一般公開されていません。ご見学はキルベッガン蒸留所(Kilbeggan Distillery)へどうぞ。

※サントリーさんの「カネマラ」の製品紹介ページに、クーリー蒸留所&キルベッガン蒸留所についての詳しい説明と写真があります。→クーリー蒸留所と製法

テーマ:アイルランド生活 - ジャンル:日記

ヒース咲く山をハイキング(ウィックロウ)

wickiowhikingaugust2
一面に咲き乱れるアイリッシュヒース(Irish Heath)

今日はいよいよ、先日下見をしたハイキングの本番。ヒースの花咲くウィックロウ(Co. Wicklow)の山をお客様とご一緒に歩きました。

wickiowhikingaugust3
背後は霧に覆われて幻想的。グレンマクナスの滝(Glenmacnass Waterfall)裏手の駐車場から、向かい側のブラックマウンテン(Black Mountains)へ

一昨日かなり激しい雨が降ったため、足元はかなりぬかっていましたが、皆さん頑張ってブラックマウンテン山頂へ到達。そこから次の峰・スカー(Scar)山へ、時折雨に降られながらも登頂。
体調がイマイチだったのでお客様と一緒に歩けるかな…と心配でしたが、おかげさまで約4キロの行程を遅れることなく完歩。あ~良かった。

wickiowhikingaugust
高さ640メートルの峰。駐車場からの高低差180メートル、ちょっとした山登りでした

一か月前に下見に来たときは、同じヒースの花でも種類の違うベルヘザー(Bell Heather)が見ごろでした。(このブラックマウンテン周辺にはポツリポツリと咲いていたのみ、ウィックロウギャップ(Wicklow Gap)の群生地へ行かないと見られませんでしたが)
あれから一か月経って、今はアイリッシュヘザーが満開。ベルヘザーより花ぶりが小さく、ピンクの色も薄目の、より可憐な印象のヒースです。

アイルランドには6種類のヒースが生息し、7月下旬から9月中旬まで種類と場所を変えて各地で咲き乱れます。
いつもは観光バスの中から目にするヒースの花ですが、こんなふうに群生地を歩くことで思う存分楽しんでいただけたことと思います。

テーマ:アイルランド生活 - ジャンル:日記

ウィックロウでハイキング(ブラックマウンテン)

wicklowhike07152
眼下に見晴らすのはグレンダーロック(Glendalough, Co. Wicklow)の谷間

来月下旬にウィックロク(Co. Wicklow)でハイキングをするグループさんがあるので、その下見に行ってきました。
ウィックロウで日常的にハイキングをしている友人Wさんが一緒に来てくれたおかげで、こんなところに道があるの!?…というような隠れたハイキング・コースを教えてもらい、楽しく歩いてきました。

wicklowhike0715
グレンマクナスの滝(Glenmacnass Waterfall)のそばの駐車場に車を止めて、向かいの斜面を上ります。あっという間にこの高低差

wicklowhike07153
ヒツジがすぐそばにいっぱい。ウィックロウのヒツジはブラックフェイスではなく、全身真っ白

wicklowhike07154
ヒースの花も咲き始めました。夏の初めに咲くのはヒースの中では花ぶりが大き目のベルヘザー

wicklowhike07158
約30分でBlack Mountainというポイントに到着。広々と遠くの山まで見晴らせて気持ちいい!足元の泥炭の沼に要注意です(笑)

写真を撮ったりしながら歩くこと約1時間、4キロ程の軽いハイキング。斜面を登ったので行程差は200メートルくらいあったようです。

ハイキング終了後、今後はサリーギャップ(Sally Gap)からラウンドウッド(Roundwood)へ抜ける道(R759)を通り、景色を堪能。

wicklowhike07155
ギネス一族が所有する土地に隣接していることからギネス湖とも呼ばれるロックテイ(Lough Tay)

wicklowhike07157
ヒースの花が咲き誇る荒野を見たいのであれば、この道沿いにドライブするのがお勧め。これから9月半ばくらいまでが見ごろ。ギネス一族の邸宅のゲート近くにて

ダブリン市街地から車で小1時間で来ることのできる、手軽な自然満喫コースです。

テーマ:アイルランド生活 - ジャンル:日記